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エレベーターの混雑とビジネス・チャンス [マーケティング]


北京の朝はエレベーター博打と生存競争

どのオフィスビルも朝のエレベーターの混雑はすごい。数台乗り過ごすのは
当たり前である。どれか選んでエレベーターのドアの前にくっついて待つ。
運良ければしばらく待って乗れる。運が悪ければ、すでに下に
降りた人で満員のエレベーターを見ることになる。当然エレベーターホールには
人が溢れている。

エレベーターホールはメディア!

当然、北京のどのビルでもエレベーターホールにはホワイトカラーが
長時間滞留することとなる。これに目をつけたのは中国の起業家。Focus Media CEOの
江南春氏はエレベーターホールにテレビをつけてメディア化していった。
すでにオフィスだけでなく店舗の中のディスプレイも含めて10万以上のテレビ・ディスプレイ・
ネットワークやポスター・ネットワークを持つメディア企業に成長している。NASDAQに
上場を果たし、最近、中国ネット広告企業のAllyesを買収して、さらに拡大中である。
Allyesは1998年に成立されたネット広告、インタラクティブ・マーケティング業界において
中国最大規模の企業である。人海戦術で、エレベーターホールの広告を
差し替えていた企業がネット技術を活かしたハイテク企業に変貌していくのであろう。

ビジネス・チャンス

私のような凡人にはビジネス・チャンスが見えないが、優れた起業家には
エレベーターホールの混雑でさえビジネス・チャンスに見えたのであろう。
ビジネス・チャンスに限らず、モノの見え方は不思議だ。意味を考え、
見ているモノを違う角度から頭で見なければ何も見ていないということなのだろう。


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